他人の幸運に嫉妬するのはフェアじゃない
「なんであいつだけあんなに運が良いんだ!」
あなたはそんな風に嫉妬した経験があるだろうか? 僕はある。きっと、あなたにもある。
明らかに努力の差があれば悔しいながらも納得できたかもしれない。けれど、まったく同じ条件でもより恵まれた結果を得る人、得られない人が存在する。どうしようもない結果。ただただ与えられるだけの結果で差が出てくる。
くじ引きの類は完全にそれで、学校での席替え、宝くじ、パチンコに麻雀に最近ではゲームでのガチャなんかは顕著だ。
「同じだけお金を払ったのにあいつはレアキャラが出た!」
「俺なんてあいつの10倍払っているのに出てこない!」
そんな不幸を叫ぶ声が聞こえてくる。
そう、不幸だ。
恵まれなかったあなた。今その瞬間、恵まれなかったあなた。
悔しい。心がもやもやグツグツ煮えたぎる。その瞬間のあなた。
冷静になって欲しい。それはアンフェアだ。
あなたが比較しているものはなんだろう。
幸運に恵まれた人。あなたが欲しかった境遇を運良く手に入れた人だ。
そう、幸運だ。
そこを比較すべきじゃない。
幸運な境遇と不幸な境遇を比較するのはフェアじゃない。
そんなの幸運が勝つに決まっている。勝者と敗者が試合を始めるようなものだ。始める前から敗者なのに試合の後に「悔しい!」だなんて、よく考えればバカみたいじゃないか。
相手の幸運と比較すべきは幸運で、あなたの不幸とぶつけるべきは相手の不幸だ。
「あいつは今あんなについてるけど、そういえば1か月前は私にも同じくらいの運がきていた」
「俺はこんなにひどい不運に見舞われてあいつは今高笑いしているけど、思い出してみればあいつも1年前はひどい目に遭っていたな……」
「相手のことよく知らないけど、こんなついてばかりの人生なわけないよな」
結局そんなものだ。そして、こんな状況、また時間がたてばひっくり返る。あなたが幸運を目にしていた相手は、1週間後にはあなたの幸運に嫉妬しているかもしれない。
他人の幸運に嫉妬するのはフェアじゃない。
幸運には幸運で立ち向かおう。幸運の差で打ち負けた時は「やるじゃないか。でも次はわからないぞ」と捨て台詞でも吐いてやろう。
そうだ。次はわからないぞ。