一年の計は元旦にあり、ということわざの意味を追いかけてみる
一年の計は元旦にあり
ということわざ、年明け後にたくさんの人が使っていますよね。
でも、ぱっと見ただけでも、人によって使い方がどうやら違うようなのです。
一つは
「何事も最初が大事だから、年明けから気を引き締めていきます!」
という使い方で、もう一つは
「最初にちゃんとした計画を作るのが大事だから、今年はこんなプランでいきます!」
という使い方。
簡単に言うと「最初が大事」なのか「最初に計画を立てるのが大事」なのかという違い。
そんなに引っ張る話じゃないので結論を言ってしまうと、「元旦(1月1日の朝)に1年の計画を立てるべし」というのが正しい意味のようです。
しかし、「何事も最初が大事!」という意味で使っている人は結構多い。
「一年の計は元旦にあり 意味」という使い古された検索をしてみると、概ね正しい意味が出てくるのですが、「何事も最初が大事!」という意味でYahoo知恵袋でなんだかそれっぽい回答が出ています。
一年の計は元旦にありの意味を教えてください(Yahoo!知恵袋)
一瞬なるほど! と膝を打ちたくなりますが、それはまだちょっと早い。
上の知恵袋では、毛利元就の言葉が語源という回答があります。
しかし、中国の月令広義が出典とする節もあります。
「一年の計は元旦にあり」の本当の意味:考えるヒント:So-net blog
一瞬なるほど! と膝を打ちたくなりますが、そんなに膝を打っていたらたちまち赤くなるので自重します。
つまり、毛利元就派は「最初が大事」派で、月令広義派が「最初に計画を立てるのが大事」派らしいです。
・・・本当に?
「一年の計は元旦にあり 毛利元就」で検索してみると、次のページが出てきました。
http://www.geocities.jp/sportsweb_com/re_meisho01.html
引用>
元就はこう答えたそうです。 「世の愚か者どもは、恵方を拝んで、とそを飲み、長寿・子孫繁栄を祝って浮かれているが、元旦はそんな暢気なものではなく、年の初めに一年の事をじっくり考える。それが本当の祝いというものである。」
んん?
上記の言葉が本当だとすると、元就も「最初に計画を立てるのが大事」と言っているように見えます。
つまり・・・元の意味は一緒?
なんだか腑に落ちた感じします。・・・あれ、僕だけですか?
といっても、言葉というのは「大多数の人が認識している意味」が正しい意味になります。誤用がいつの間にか本当の意味となってしまうのはよくある話。
そういう方向から見れば「一年の計画は元旦に立てるべき」というのが現在の正しい意味です。もしかしたら今後変わる可能性があるかもしれませんね。
そもそも 計 という言葉が 「計画」 という意味と 「合計」 という意味を持っているため、こういう2種類の解釈が生まれたのではないかと僕はひそかに思っています。
ですが、「合計」すなわち「総て」という意味で使うならもっと別の言葉がある気がするので、やっぱり「計画」と解釈するのが自然な気がしますよね。・・・あれ、僕だけですか?