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マイナー漫画に訪れる残念死

 

 僕はジャンルを問わずマイナーなものを好む習性があって、趣味の一角を占める漫画でもマイナー作品をあさるのが好きです。

 しかし、マイナー作品を追い求めると、メジャー作品よりかなりの確率で「残念死」に出会います。

 

 残念死するマイナー作品とは、「マイナーだけど面白い漫画」

 有名週刊誌で連載を勝ち取ったものの、鳴かず飛ばずで終わってしまう作品は違います。そういうもは最初から残念なので、改めて残念に思うことはないのです。

 

 漫画に限ることではありませんが、「質が高ければ自ずと人気が出る」というのは間違いで、そもそも存在を認識してもらわないとどんなに面白くても評価を得ることは出来ません。

 つまり、「マイナーだけど面白い漫画」はどう頑張ってもマイナー作品で、知名度がない=あんまり売れない、というのはある意味当然のことなのです。

 それでも、市場的にはマイナーな漫画たちにも「これくらい売れればOK」というラインがあって、飛び抜ける作品が出なくても、一部のファンたちによってそこそこの人気を博したりします。

 

 残念死は、そのラインを超えられなかった作品に起こります。

 

 これは僕の想像でしかありませんが、残念死に至る作品には「打ち切り」という言葉の陰があるように思えます。

「これ以上人気が出ないと打ち切りだよ!」

 か、

「打ち切り決定です。あとX話で閉めてください」

 かのどちらかです。

 

○これ以上人気が出ないと打ち切りだよ!

 この通告は確実に作者の頭を悩ませます。たぶん担当編集の人も相当に悩むと思いますが、その二人が作品の方向性という軸を守らないとどうにもこうにもなりません。

 そんなこんなで結局打ち切られる残念死パターンです。

 

1.謎の敵と戦い始める

 ➡人気が落ちてきたらバトル展開に持っていけ! というのは少年漫画界ではそこそこある話だと思いますが、あまりに急な転換で既存のファンをがっかりさせる残念死。

 「ライバルが出現する」レベルだったら順当なテコ入れと言えますが、凡人だった主人公が急に特殊能力に目覚めたり、新キャラによって新しすぎるステージに連れて行かれたりと、作者と編集が深夜のファミレスでハイテンションで「これでいける!」とか言っている絵が目に浮かぶような斬新なテコが入ったりします。

 さらにそのまま打ち切られると、

  新章突入! 即打ち切り!

 といった風体になってかなり残念です。

 好きだった作品がそのまま打ち切られるのではなく、残念になってから打ち切られる様は「衰弱残念死」とでも言えるでしょうか。残念になったあげく「俺たちの戦いはこれからだ!」で終わられるともう残念すぎます。

 

2.突然対象年齢が高くなる

 ➡人気が落ちてきたらお色気展開に持っていけ! というのは定石のようでいて、誰でも考えついてしまうあたり素人レベルの発想だと思うのですが、この残念死はかなりの頻度で発生します。

 これまで色気の欠片もなかったくせに、チラリズムという段階すらすっ飛ばして下着がもろに出たり、不自然に服が破けたりします。

 本来の雰囲気にプラスαで載せてくるならまだしも、明らかにお色気を入れるための展開になったりして、元の良さが綺麗に吹き飛びます。

 つい最近もまさにこの残念死に出会いました。いまだに傷がうずくよ・・・。

 安易な人気取りということもあって、「もうちょっと何かなかったのかなー」という作者に対する残念さも出ます。

 ちなみに、このエロス増量作戦で息を吹き返した作品を僕はほとんど知らないのですが。。。言われるほど効果ないんじゃないかなぁ。

 

○打ち切り決定です

 

 この宣告を受けた漫画家さんの気持ちは推して知るべしという奴ですが、作品の歩む道はだいたい次の3パターンです。

 

1.俺たちの戦いはこれからだ!

 ➡意地でも、主人公たちに本来予定していたストーリーを歩んでもらおうという意思を感じさせるラストです。残念死する漫画でこれをやられると先が気になって仕方ありません。基本的に作者の頭の中にしか話の続きはないので、読者としては非常にもやっとします。せめてある程度の区切りはつけてもらいたいのですが・・・

 しかし、「あの漫画を切るなんて編集は何を考えている!」と愚痴を言う余地があるのでまだマシな方です。

 

2.ぎゅっ

 ➡とにかく超展開で話を詰めこんで、多少無理があっても最終回という形をちゃんと作る作品です。「あー、打ち切られちゃった」という寂寥感(せきりょうかん)が漂い、「あのまま続いていればなー」と妄想させられる代表的な残念死です。

 概ね残念なのですが、漫画家の腕が良いと意外と悪くないラストになったりもします。

 残念は残念なのですが、しっかり作品に終わりをつけてくれる分、作者の次回作も応援したくなることが多いです。

 

3.大爆発

 ➡もう打ち切り決定したし! もういいもん! もういいよ!

  という作者の声が聞こえてきそうな、完全に自暴自棄になったよくわからないラスト。無駄にメインキャラが死んだりどうでもいい驚愕の事実が判明したりします。

 爆発されるといっそ清々しいとも思いますが、曲がりなりにも好みだった作品が完全に爆発するので残念さは極上です。その作者の新作が始まっても「これも爆発するのかな・・・」とか思うとかなり応援しづらいので、どんなにショックでもやらないほうがいいですよ?

 幸い、「残念死」にカテゴライズされるようなマイナー良作で爆発しちゃう作品はごくわずかですが。

 

 

 

 以上、大まかな残念死を挙げてみました。

 何が一番残念って、それまで好きだった作品の世界が無理な「人気取り」のために歪んでしまうところです。かといって、何もしなければそのまま打ち切りまっしぐら・・・

 

 じゃあどうすれば良いのかといえば。

 普通の打ち切り漫画と違って元が面白いので、恐らくもっとも有効な打ち手は「宣伝」です。

 漫画家がPixivやニコニコ動画に定期的に投稿したりするだけできっと変わるのでは? と。素人考えですが。あとは地道にコマ割りの工夫とか、魅せるコマでの描き込み増とか、ちょっとしたクオリティアップで口コミが増えるんじゃないかなぁと思います。

 

 打ち切りなんかは何より作者の人が残念だとは思いますが、あなたの作品が好きで、次の作品でまた縁があるかもしれない読者がいることを心の片隅に入れてくれればなぁと思います。

 マイナー良作は短い巻数で終わってしまうことが多いですが、それでも良かった作品は覚えているし、僕はそんな物語を書いた人の新作が心から楽しみなのです。

 

 

 ちなみに、僕が最高にお勧めする漫画は今月の漫画タグで紹介しています。

 中にはまだ未完結のものもあるので、残念死しないことを切に祈っておりますです。